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日本:統一教会の解散・デュバル報告書1.献金の宗教的目的
Japan: Dissolution of the Unification Church. The Duval Report. 1. The Religious Aim of Donations

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Patricia Duval

2025年4月28日

解散決定は、過度な献金の勧誘をめぐる非難に基づいているが、その宗教的性質は無視されている。
The dissolution decision is based on the accusation of soliciting excessive donations. But their religious nature is ignored.

(ENGLISH ) https://bitterwinter.org/japan-dissolution-of-the-unification-church-the-duval-report-1-the-religious-aim-of-donations/


5本の記事の5本目 1本目2本目3本目4本目を読む。 


以前は統一教会として知られ、このシリーズでは「統一教会」または「教会」と呼称される世界平和統一家庭連合は、日本国内で約60万人の信者を擁する宗教法人であり、日本政府からその解散を求める申立てがなされてきました。2025年3月25日に東京地方裁判所が第一審判決でその要請を認めたことにより、最近世界中のメディアで取り上げられています。

この問題は一貫して金銭的な問題、すなわち献金に関する問題として提示されており、教会が過度な献金を集め、多くの信者を「破綻」させたと非難されています。

このシリーズの目的は、当該裁判所決定を世界的な視点から検討することにあります。第一に政府自身の調査結果に基づく献金の使途を明らかにし、第二に日本の社会的・法的文脈を説明し、第三に裁判所の判断を分析し、第四に信者の信教の自由に対する影響を含めて必要な結論を導くことです。

宗教法人を所管し、今回の解散を申し立てた文部科学省(文科省)は、解散申立書の中で、信者からの献金の目的または使途について次のように述べています:「本件宗教法人は、信者献金を原資とし、布教費、教会維持費、教会運営費、祭典費、海外宣教援助費等の宗教活動支出、固定資産購入等の財務支出、寄付金等の特別支出を支出している。」

統一教会の信者たちは、自らをキリスト教の一派であると主張しており、彼らの信仰は聖書に対する独自の解釈に基づいています。彼らは、イエス・キリストが最初のメシアであり、文鮮明師(1925–2012)が第二のメシアとして現れ、イエスが果たし得なかった使命――すなわち、家族の価値と家族愛の回復――を成し遂げるために来たと信じています。この家族の回復こそが、人類の平和と統一の基盤となると彼らは考えています。

献金は教会の宗教団体を維持し、信仰の実践および布教活動(世界的な宣教支援や慈善活動を含む)を可能にするために用いられています。これは世界中のあらゆる宗教団体が行っていることと何ら変わりありません。

宗教または信条を表現・実践する権利には、宗教団体を設立・維持する権利、ならびに献金を募る権利が含まれており(国連総会「宗教または信念に基づくあらゆる形態の不寛容および差別の撤廃に関する宣言」総会決議36/55、1981年11月25日、第6条(b)および(f))、献金の勧誘という行為自体は、それ自体として完全に正当な活動なのです。



文科省は、解散申立書に添付した証拠資料の中で、以下のような証言も提出しています。

第2節:岡村信男総務局長の証言(甲B6-3)

2001年12月19日、東京地方裁判所において、総務局長・岡村信男氏は、以下の事実について証言しました(証言調書7~8頁):

  1. 献金は国内の支出だけでなく、国際ハイウェイプロジェクトや海外宣教活動にも使用されていた。

  2. 献金はまずアメリカの世界宣教本部に送金され、そこから海外各地に配分されていた。

  3. 資金は、各種セミナー、大会、集会、そして世界中での教会建設に使われた。

  4. 貧困国での活動に対しても財政的支援がなされていた。

  5. これらの資金は、文鮮明師個人の利益のために集められたものではなかった。

以上より、日本の信者から集められた献金は、1)個人的な蓄財のために用いられたことはなく、2)むしろ、信仰の拡大と世界中、特に貧困国における人々の支援のために用いられたものである、と結論づけることができます。これはまさに、創設者である文鮮明師の掲げたモットー、「他者のために生きる」と一致するものです。

同じ資料の中で、文科省は、日本で募った献金によって支援された国々のリストも提示しています。

第3節:具体的に支援された国々

統一教会は、全世界194カ国を対象に宣教活動を行っており、日本からの献金はアジア、アフリカ、ヨーロッパ、中南米、その他の国々での宣教活動に使用されてきました。その結果、北米・南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジア・オセアニアにわたり教会の基盤が築かれています。2013年以降は、日本の2世信者による宣教活動も活発化しており、海外宣教のための経済的支援も行われています。2世信者が派遣された国は以下のとおりです:

  • 北・中・南米:中南米8か国

  • アジア・太平洋:14か国

  • ヨーロッパ・中東:9か国

  • アフリカ:10か国

上記すべては、宗教法人の解散手続において文科省が把握した事実に基づいています。

日本法において宗教法人の解散命令を裁判所に求める手続には、訴訟に先立ち、当該宗教法人に対する質問を通じて事案に関する情報を収集する予備的な段階が含まれます。2022年11月から2023年末にかけて、文科省は教団に対して7回にわたり質問書(裁判所の決定では「報告徴収」と表記)を送付し、組織構造、運営状況、宗教活動、訴訟例などについて質問を行いました。文科省は、教団からの報告に基づいて上記のような情報を含む資料を集積し、それを東京地方裁判所への解散申立てに際して提出しました。

しかしながら、裁判所の決定では、献金の使途を説明し得るこれらの情報には一切言及されませんでした。これらの事実や、献金を募る宗教的動機は完全に無視されたということです。その代わりに、裁判所は、過去のいくつかの民事不法行為判決を根拠として、献金の勧誘には「悪意ある意図」があったと認定しました。この点については後段でさらに詳しく検討します。

こうした事実が判決に記載されなかったこと自体が、裁判所が賛否両面の証拠を適正手続に従って公平に検討していないことを示しています。むしろ、裁判所は偏った姿勢を取り、あらかじめ決めていた解散という結論に導くために、それを正当化しうる論拠だけを利用したのです。


実際、2020年時点で、欧州連合および中東地域においてさえも、教会は以下の国々において正式に登録され、活動を行っていました:

オーストリア、チェコ共和国、ハンガリー、ドイツ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スイス、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、エストニア、コソボ、北マケドニア、モルドバ、ルーマニア、ロシア、イスラエル、トルコ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、ベルギー、フランス、オランダ。

このように、日本は、世界中に確立された基盤を持つ教会に対して解散を命じるという点で、国際社会の中でも異質な対応を示しています。





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